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お客様は神様なのか? タクシー研修で遭遇した乗務員泣かせのお客様

乗務員泣かせのお客様

乗務員泣かせのお客様がいらっしゃいます。

車内で喫煙をされる人は、喫煙習慣のない乗務員からすると乗車してほしくない部類に入るお客様になります。ところがそれ以上に乗務員を泣かせるのが交通法規無視を強要すお客様。

まず、速度の問題。

このタイプのお客様はハイヤーではほぼいらっしゃいませんが、タクシー研修時代は時折遭遇しました。

運転手さん、今日はちょっと急ぎで頼むよ。
「はい、かしこまりました」

しばらく自分のペースで安全運行のため車間距離をとりながら走っていると

「ちょっと、もう少し積極的に走れない?」

後ろからせかす声がします。

首都高はご存知のように60キロ制限。
でも、実際制限速度で走っている車なんてほとんどありません。だいたい基本は80キロでしょう。ところが、それでも「遅い、速く走れ」と言ってくるお客様がいます。

車間距離は詰めろ、速度は出して速く走れ!

ここまで行くと、もうそれは目的地に早く着くための手段ではなく、そもそも、ちんたら走るのが性格的に嫌な、いわゆるお客様の「好み」の問題だということがわかります。

実はこういう人がまたヘビースモーカーだったりします。タバコと交通法規無視の二本立てで攻めてくる、まさに乗務員泣かせの王様。

道路が混んで来れば大変です。
後ろでイライラとタバコに火をつけるライターの音が耳をさしてきます。そして、右に左にに車線変更を強いられ、挙句の果てには、右折禁止や、Uターン禁止を無視させ、抜け道を探させるのです。

それらの対応にまごつけば、営業所に連絡されてしまい、「あの運転手はだめだ、違うやつをよこせ!」といった始末。

もしも貴方がこんなお客様の対応をさせられたらどうしますか?

お客様の応対の仕方

実は応対の仕方一つで、こういうお客様はオオカミから羊に変わります。
乗務員は、いかなるお客様であってもお客様のプライドを傷つけないよう、上手にエスコートするのがプロの仕事だと言えますよね。

「お客様、お急ぎであるのは十分に承知しておりますが、この場で、警察に捕まりますと、かえって時間のロスとなります。目的地に何時まで到着させなければなりませんか?」

お客様はこんなこと百も承知なんですね。
にもかかわらず乗務員を急かし無理難題を吹っ掛ける理由はなんでしょうか?

これは、
「あなたは信頼できない」
といったお客様からの間接的なサインなのです。

落ち着いた態度できちんと対応することが肝心です。
乗務員の応対の仕方によって、この類のお客様はそれ以上文句を言うのをやめにするでしょう。

とどのつまりは乗務員に対して不安を抱くので、お客様があえて指示してくるということがわかるのです。優秀な乗務員は、お客様が車に乗り込んできたときに交わす2,3の会話で信頼を得てしまいます。

「お任せください」

とわざわざ口に出して言わなくても、この運転手に任せておけば時間通りに目的地に到着するだろうと、後ろで黙って自分のことをされるようになれば、この勝負、ハイヤーマンに軍配があがったも同然です。

お客様からクレームをもらって仲間内にそのお客様に文句をいっているレベルでは、まだまだ乗務員としては半人前。

お客様を神様とする意味

お客様は自分の鏡・・・このように考えられる人は成長の伸びしろがあると言われます。これはその人の仕事観、果ては人生観にも通じる話になりますが、常に自己成長を考えて仕事をしている人にとってはクレームや無理難題を強いるお客様の方が勉強になるといって誠心誠意で応対していきますね。

ところが、お客様の一挙手一投足に気持ちがひっかかりストレスに感じる人もいるのは事実ですから、自分なりの対処法を考えておくとよいでしょう。

といっても、ハイヤーを利用されるお客様で上述したような交通法規を無視させるような人に出会ったことはないので、これからハイヤー乗務員として仕事をしたいと考えている人は安心して結構です。

いずれにせよ、私の経験からすると、やっぱりお客様を「神様」に見立てることが、何より難局を乗り越える近道だと思っております。

皆様のご意見をぜひお聞かせ願います。

 
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