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日本の女性たちの社会進出はこのところ目覚ましく、今まで足を踏み入れられなかった男性だけの職場でも活躍する動きが活発化していますね。
「ドボジョ」(土木関係の仕事をする女性)という言葉が生まれ、
話題になっているのもその一つの表れでしょう。
タクシーやバスの運転手にも女性を積極的に登用し注目を集めている企業があります。
先日テレビで紹介していたのは
京都府のタクシー会社と静岡県のバス会社
■乗務員全員が女性
2013年夏に営業スタートした京都市山科区にある「みとちゃんタクシー」では
すべての乗務員が女性。
「みとちゃん」という名前は、この会社が京都の洛東グル―プ傘下に属し、そのシンボルマークの象をヒントに
京都市動物園にいる象「美都(みと)ちゃん」からとって名付けられたんだとか。
洛東グル―プ ぞうのマーク
ここ最近東京都内でも女性のタクシードライバーはもう珍しくなくなりました。
よくやってるなあと私は感心していつも見ておりますが
この会社のように全員女性というのは凄い。
しかし、今までタクシーの乗務員に女性を積極採用できなかったのには
その労働環境にいくつかのハードルがあったためでしょうね。
それら諸問題を見事に取り除いているのがこの注目の会社なのです。
■女性だけの会社だからできたこと
まず、勤務時間
一般にタクシーの乗務時間は途中休憩があっても長時間拘束されます。
隔日勤務の場合、ほぼ丸一日(19~21時間 途中3時間休憩)勤務し、翌日が休みといったシフトです。
日勤にしても朝が7時半出庫と早い。お子さんのいる女性は、防犯上の問題も含め、なかなか勤めるにはしんどい環境です。
これに対して、この会社は、女性たちが家事や育児に時間を確保できる
ような働き方ができるように、フレックス制を導入している点
さらに、タクシー業界では一般的に乗務員の給与が、営収に対する歩合で決められるのに対し、みとちゃんタクシーでは時間給を採用しているのです。しかもノルマなし。
(テレビでは時給1000円と紹介)
こうすることで、働いた時間、確実に収入を得ることが可能となりますから、ひと月の収入の予想を立てることができ、営収を意識してお客様を探し回ることがない分、安心して運行業務に当たり、よりお客様に対するサービスを向上させることが可能となっているという好循環が生まれてくるのですね。
その他、女性専用の休憩室や、専用ロッカールーム、
ウォシュレットトイレ完備など、女性が過ごしやすい
空間作りを会社を挙げて取り組んでいるとのこと。
女性乗務員だけだからこそできた職場環境なのではないでしょうか。
みとちゃんタクシー
http://www.rakuto-taxi.co.jp/mitochan/
■遠州鉄道株式会社
静岡県浜松市にあるこの会社に至っては
バスの乗務員を6月30日まで大量25名採用するとキャンペーンを打って
注目を集めています。
http://www.entetsu.co.jp/jinji/bus/woman/camp.pdf
、
路線バスの運転手として女性を積極的に採用しようとする会社の狙いどこにあるのでしょうか
キャンペーンの内容をみると驚くことに
入社支度金として10万円の支給
そして大型二種免許にかかる費用を全額会社負担すると謳っているのです。
大型二種免許取得には40万~50万円はかかるので、
一人採用するのに少なくても50万円は必要となり、25名ともなると、広告費や事務手数料も合わせれば1300万~1400万円近い経費が必要でしょうね。
すでに女性運転手がいて、お客様からの受けが非常によいということで積極採用するというのですが、それだけで、こんなにも採用に投資できるとは考えにくいと思い、人材雇用に関する国の取組みを調べてみると、どうも国からの助成金を活用しようとしているようなのです。
■女性の社会進出に積極的な企業に対する助成金
職業生活と家庭生活の両立支援や女性の活躍推進に取り組む事業主に対し、
厚生労働省・都道府県労働局 が推進している両立支援等助成金があります!
平成26年度 両立支援等助成金のご案内をみてみると
女性を一人当たり雇用するにあたり事業主は様々な助成金を受けることが可能となっています。企業は国の後ろ盾を活用して女性を積極採用しようとしていることは間違いないでしょう。
たとえば、この遠州鉄道のように、女性の活躍促進のための数値目標を定め、公表し、当該数値目標を達成した場合は、さらに助成金に加算があるというのです。
国の後押しがあるからこそ、女性たちがどんどんと社会進出できる良い環境になってきているわけです。
■ハイヤーウーマンも登場か
ところで、ハイヤー業界はどうでしょうか
ハイヤーは最後の男の職場の砦かと思いきや、これもまた、女性が進出しているんですね。
しかし、まだそれは珍しいと思います。
私は過去に二度見かけました。一度は、台数口でお客さまの会食場所に出向いた時、同じ場所で待機していた車の中から女性が現れて驚いたことがありました。
もう一つは、ホテルでワゴン車から制服姿の女性がお客様を案内していたのを目撃したのです。
東京都内でハイヤー運転手として女性が活躍していることを全面に出している会社はホームページで見る限り、江東区有明にあるアウテックだけですね。
確かにハイヤーは仕事としては女性でも問題なく働けると思います。
しかし利用されるお客様がどう思われるかです。
逆にお客様が敬遠するのではないかと思われます。
というのも、利用者が圧倒的に男性であることで、密室の中で女性がいるということは、意識するなといっても意識してしまうことが予想されるからです。
しかも車内で突然かかってくる電話の内容や、交わされる会話を、女性に聞かれることに対するなんともいえない抵抗感が伴うのではないか・・
これは男性だったら説明をしなくてもわかる世界ではないでしょうか。
■男性も女性も、持てる特性を生かした職場選びが理想
男女同じ人間でありますから、就業において機会は均等であるべきですが
男性と女性は、基本的に体力面、精神構造も明らかに違いがあります。
違っているからこそ、お互いその違いを尊重し合い、その違いを仕事上でも生かした社会貢献ができれば、
それが報酬となって跳ね返ってくるのではないでしょうか。
ただし、実績に対しては公平に評価する姿勢が必要であり、男性たちは偏見の目でみないように気を付けなければならないでしょうね。
それはこの私自身に一番言えるのかもしれませんけど・・。