走れ!東京ハイヤーマン 

国家を意識する仕事 その2

国賓来日当日の準備

国賓来日当日は、ホテルに集結した車両のチェック(車番、乗務員氏名、携帯番号など)から始まり、警察車両、SP(警護)、外務省担当者、ホテル側の担当者、および、車両関係の窓口担当者が頭を突き合わせて打ち合わせがなされ、その日の動きを確認し、集結した各車両へ伝達されていきます。

国賓を迎えるために、世界第三位の経済大国日本の威信をかけ、実に多くの人たちがその準備に関与しているということを肌で実感する時となります。

その後、車両には、識別するためのステッカーや、官邸、迎賓館、空港のVIP専用ゲートなどの重要施設の通行証が配られれ、それをフロントガラスに張りつければこれで準備完了。

こういった仕事を割りあてられたドライバーは、基本的に国賓が日本滞在期間中、セキュリティーの関係で、車両とセットで固定されてしまいますから、ほかの仕事を受けることがなくなります。

どんな運転手が「お国の仕事」を任されているのか

この国の仕事に参加してみるとわかりますが、まず、当然ながらドライバーとしての経験が豊富であることは言うまでもなく、それに加えて、英語が基本的にできる人
この2点は必須条件です。

ただし、英語に関してはレベルがまちまちです。たとえばTOEIC○○点以上、といった何かの基準を設けているわけではありません。
しかも各社人材の台所事情が違うために、いくら国賓の来日予定が決まっていても、数日前にならないと人も車も調整ができないのです。

また、英語ができるかどうかに関しては、その時に予定が入っていない乗務員に配車される関係上、どの程度英語対応が可能なのか、そのレベルにもかなりのばらつきが出るのです。

英語の実力

ちなみに、私は英検3級程度。相手の言っていることは何となくわかりますが、かといって流暢に会話ができるかといえば、はっきり言って「できない部類」

ただし、これが面白いことに、我が営業所の配車デスクは、私が英語対応可能だと過大評価して下さり、ちょくちょく外国のお客様をエスコートする仕事を回してくれました。

おかげで、経験を積んだ分、落ち着いた所作で対応が可能となり、クレームもないことからデスクからの信頼を得てしまっているようなのです。

ただし、いつも外務省とやり取りする窓口担当になる人は、さすがに英語を流暢に使いこなしておりました。

そういえば、帝国ホテル駐車場内で車両誘導をしていた警備員が、外国人から何か聞かれて
私は英語NOです。
なんて大きなジェスチャーでバツ印を両手でつくり、近くにいたドアマンに応援をたのんでいた光景を目にしたことがありました。

警備員さん、ここは帝国ホテルなんですよ!

 

でも無理ないかな・・

考えてみれば、もし英語が堪能だったら警備の仕事には就かないだろうに、できないのは当然といえば至極当然な話ですよね。

英語は身につけておくべきか?

実際、ハイヤーの仕事においても、必要な英語なんてたかが知れてますからね。英語を一生懸命勉強したって、使う機会がないよと、最初から学習を放棄している乗務員が圧倒的多数ですから。

それでも、どうせ仕事をやるんだったら、よりダイナミックに、そして国際的に・・とお考えならば、英語を学習して、英検やTOEICに果敢に挑戦し、取得した資格をデスクに報告してアピールしておけば、必ずその報いを得られるだろう。そう私は思います。

東京五輪開催が6年後です。まちがいなく東京は国際都市となるでしょう。今から6年準備しておけば、自分を必要とする仕事が津波のように押し寄せて、引っ張り凧となる。
そんな姿をリアルにイメージできた人は、確実に実現するでしょう。

その人の目標設定で仕事の質、レベルはいくらでも変えられる
というのが経験で学んだことです。

東京ハイヤーマンは○位?
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