2026年 新年のごあいさつ
運転業務の人材不足と報酬改善は実現するのか
2026年、明けましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
新年にあたり、私がいまこの業界におけるもっとも気になるテーマがあります。
それは「運転業務の慢性的な人材不足は解消できるのか」「報酬や働き方は改善していくのか」という点です。
運転の仕事は、免許さえあれば誰でもできる――と言われがちですね。
しかし実際には、安全・接遇・判断力・責任感などが強く求められ、どんな人でも務まる仕事ではないと思っています。だからこそ、人が集まりにくい状況が続くと、業界全体の体力が問われることになります。
高待遇求人の“見え方”と、現場で見えてくる条件
求人広告を見ていると「月収40万円以上」といった魅力的な文言が目に留まります。
ところが、こうした“良い条件”の求人には、仕組み上のからくりがあることも少なくありません。
実際問い合わせると「まず登録してください」と案内される。
つまり広告の出し手が、実際に人材を必要としている会社ではなく、人材派遣会社であるケースがあるのです。もちろん派遣が悪いという話ではありませんが、求職者としては「雇用主はどこなのか」「条件の根拠はどこにあるのか」を早い段階で確認する必要があります。
転職活動をする際にこの点を最初に抑えて、可能な限り、目標をとする会社の窓口に直接問い合わせる形をとる方がよいでしょう。
また、面接に進むと、想像以上に細かな条件が付いていることもあります。
運転業務は対人サービスであり、さらに安全に直結するため、採用側が慎重になるのは当然です。この業界には経験豊富な人も多い一方で、過去にトラブルを起こしてきた人が混在してきた歴史もあります。面接担当者が“嗅覚”を働かせて応募者を見ている、というのも現場感としては確かにあります。
若年層採用の動きと「人が最後まで残る仕事」
一方で、業界の中には採用方針を明確に打ち出し、若年層を含む人材確保を強めている会社もあります。たとえば日本交通では、ハイヤー乗務員において、いわゆる業界特有の癖が少ない他業種からの転職者を好んで採用する傾向があるとされ、20代・30代でも高水準で一定の収入を保証するような制度を設けているケースもあります。
AIによる業務効率化がこれから加速していく中で、「最後まで人が問題になる」領域が確実に残ります。運転の仕事はその代表格ではないですか。だから完全自動化が一気に進むというより、当面は「人が担うべき局面」が長く残る。そう考えると、他業種で営業や接客を経験してきた人にとっては、人生設計に照らして挑戦する価値がある仕事とも言えるでしょうね。
業界情報は、以前より把握しやすくなった
ここ数年、ハイヤー運転手という仕事の認知度は確実に上がったと感じます。
SNSや動画サイトで、業務内容や一日の流れ、収入モデルまで含めて、以前よりも具体的に紹介されるようになりました。良くも悪くも、仕事の“見える化”が進み、事前に情報を集めやすくなったのは大きな変化です。業界の透明性が上がってきた、とも言えるでしょう。
また、一定の規模と体力がある会社では、福利厚生が整備され、有休取得も「取れる」ではなく「取る」方向へ強く促すところが増えています。働き方の改善が、ようやく制度として回り始めた印象があります。
さらに高齢者についても、健康であれば長く働ける環境が整いつつあります。
運転業務は、身体を酷使する職種に比べれば、身体機能が安定している限り息長く続けやすい面があります。判断力・注意力・瞬発力といった機能が保たれていることが前提ではありますが、「AIにすぐ置き換わらない仕事」という点も含め、一定の強みを持つ仕事だと思います。
ですから、定年後も引き続き長く仕事に従事したい人は、なるべく早いうちから健康管理にも日々のルーティンを確立して、意図的な体のメンテを心がける必要があると思います。
年の変わり目はそうした新しい習慣をつくるきっかけにちょうどよいタイミングですから、うまく活用されることを推すめします。
10年で変わった景色――賃金と働き方の矛盾
先日、Facebookのリール動画を見ていたところ、下のようなデータが流れてきて目に留まりました。

もしその内容が事実だとするなら、特に気になるのは最後の行にある「年収中央値」が物価上昇に連動して上がっていくどころか、むしろ落ち込んでいるという点です。
AIに尋ねてみると、ここ10年で年収中央値は「ほぼ横ばい、あるいはやや減少傾向」だという回答でした。平均年収はわずかに増えていても、平均値と中央値の乖離が大きい。つまり「平均より低い年収で生活している世帯が多数派」という構図が続いている、ということです。
ここに残業規制の問題が重なります。
稼ぎたい人にとっては労働時間の上限が壁になり、かといって賃金水準そのものが大きく上がっているわけでもない。雇用を継続し生活を守ることは重要ですが、
賃金を上昇させるにはお客様に対する理解の上で車両使用の代金を上昇させていくしかない。
この料金交渉に強気に出られるかどうか、競合他社がいる手前、なかなか難しい点も多いことから、道が開けないという閉塞感が広がっているようにも思います。
人手不足は“余裕”を奪う。自動運転は救いになるのか
運転業務、特に公共性の高い現場であればあるほど、管理者側としては本来「余裕のあるシフト」「安全に寄せた人員配置」を組みたいはずです。
ところが慢性的な人材不足が続くと、その余裕が削られ、現場は疲弊しやすくなります。人が足りないから忙しくなり、忙しいから辞めていく――この悪循環が、どこでも起きやすい構造です。
AIによる完全自動運転はいずれ実現に向かうでしょう。
しかし、それを導入して人材不足を補うところまで設備投資できるかという問題があります。国策として公的資金が本格投入されれば話は変わりますが、公的資金は景気刺激策として用いられることが多いため、現実には業界の努力が必要が必要になってくることでしょう。従って、少なくとも向こう5年から10年、劇的な改善が一気に進むとは言い切れないのではないでしょうか。
では、10年後の東京はどうなっているのか
いま60代の人が70代になるころ、東京の移動・物流・送迎の現場はどうなっているのでしょうか。
人手不足は解消しているのか。働き方は改善しているのか。自動運転は実装されているのか。あるいは、社会全体が「人が担う仕事」をどう扱うのか。
これらは強く関心を抱いていても運営側に回って責任をもたない限り、どうにもならない問題ばかりであります。
私にできることがあるとすれば、これからハイタク業界に足を踏み入れる人達に対して、より正しい情報を提供することでありましょう。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
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