走れ!東京ハイヤーマン 

かつてハイヤー会社は闘いに傷ついた企業戦士たちの集まる職場だった

〜「最後の職場」として選ばれる理由とは?〜

ハイヤー運転手という仕事は、表からは見えない“人生の裏舞台”が静かに展開されています。

かつて、ハイヤー会社には一つの共通点がありました。
それは「ここが最後の職場になる」という覚悟を持った人たちが集まる場所だったということです。

傷を抱えた転職者たちの受け皿だったハイヤー業界

この業界に転職してくる人の多くは、いわゆる“企業戦士”だと言えるでしょう。
長年会社で戦い続け、あるいは突然のリストラや家庭の事情で戦線を離れた者たちです。

見た目は明るく振舞っていても、その背中にはどこか「影」があります。
「もうここで人生を立て直したい」
「最後の仕事にしよう」
そんな思いで、まるで倒れ込むようにハンドルを握り始める人も少なくありません。

ハイヤー運転手の静かな魅力 〜ストレス社会からの“避難所”として〜

ハイヤーの仕事は、人間関係に疲れた人にとって理想的な職場かもしれません。

営業所を出て車を外に出せば、上司も部下もいない「完全な一人の世界」。
お客様との会話は最低限――挨拶と行き先の確認程度。
タクシーのような営業活動も一切なく、決められたスケジュールに従って、安全かつ丁寧に運転するだけ。

言われた通りに車を動かし、クレームなく任務を終えれば、それで十分評価される仕事です。
これが「ストレスの少ない仕事」として、認知されるようになってからというもの、じわじわと人気を集めてきた理由でもあります。

社内人間関係ゼロ? 〜チームも班長もいない自由な職場〜

タクシー業界では班制度やチーム制が多く、営業ノルマや相互監視の空気感が避けられません。

一方で、ハイヤー会社ではそうした「社内のしがらみ」が存在しないところも多く、
仕事のやりとりは基本的に配車デスクとのみ。

上司との絡みもほとんどなく、仮にあったとしても外に出さえすれば解消されるので、完全に“自分と会社”というシンプルな関係で完結します。

気がつけば、抜けられなくなる仕事 〜他業種に戻れなくなる理由とは〜

最初は研修を受け、わからない場所に戸惑いながらスタートします。
しかし1年、2年と経験を積むうちに、顧客の動きやルートも自然と身体に染みついていく。

「楽だな…」と感じる頃には、もうこの業界以外を考えられなくなっている。
これがハイヤーの“沼”のような魅力です。

給与はサラリーマン平均並みに安定し、待機時間はスマホや動画サービスで過ごせる自由時間に変えることも可能です。
中には「韓流ドラマにどっぷり浸かって」車から出てこないという猛者もいました。

出向で役員車を預かるドライバーは、日中の動きがない時は、控室でアマプラ(Amazonプライム)やNetflixで動画三昧という人も多いようです。

若い世代の「割り切り志向」とハイヤー人気

かつては中高年のセカンドキャリアの場だったハイヤー業界。
ところが最近では、20代・30代の若者たちも応募するようになってきました。
比較的若い社員で固めたハイヤー会社も見受けます。

背景にあるのは、高級車に乗ってお客様をエスコートするステイタス性が自尊心をほどよくくすぐるからでしょうか。

これは年配者も同じだと思います。自分では大した仕事をやっているという自覚がなくても、最新の高級車に乗って仕事ができるという外からの羨望の視線が熱いことで、まるで自分の株価が上がったような錯覚を受けることもありますから。

●●さんを乗せたぜ・・

有名人を乗せた日には、うちわ仲間で自慢話や、ここだけの話が飛び交うのです。

さすがにSNSに個人のマル秘情報をアップすることはないにしても、ステイタスに絡んだ仕事が時折入ることで、刺激を受けます。
そういう現実離れした世界を覗ける仕事に就いてみたいという、一種の憧れを持たせてくれるのもこのハイヤーという仕事の魅力だと感じます。

そうは言っても人間関係がネックに

確かにステイタス性があり、慣れれば待機時間を活用していろいろなことができる、であるとか、営業所を出れば一人の世界ですから、社内の上下関係など気兼ねなく仕事ができるといったプラスの面がクローズアップされがちではあります。

しかし、課長クラスの比較的近い上司との折り合いが悪いと、特に若い人は退職していきますね。

家族など、背負っているものが大きい人ほど忍耐していますが、そういうものがない独身者は、ちょっとしたぶつかりに弱く、自分にはこの職場は合っていないと、そうそうに判断をくださいて去っていくのです。

あなたにとって「最後の職場」とは?

ハイヤーという仕事は、派手さこそないものの、深く静かな満足感を与えてくれる職業だと思います。

一方で、変化に乏しく成長機会が少ないという側面もあるため、若年層にとっては注意が必要です。

それでも、人生に疲れた人、家族のために最後の一踏ん張りをしたい人、
新たな人間関係を築くのがしんどいと感じている人にとって、
この「ハイヤー運転手」という仕事は、まさに“救いの場所”になり得るかもしれません。

ハイヤー業界に興味を持たれたら・・

「こんな仕事があったのか」と思った方は、ぜひ一度ハイヤー業界の現場に目を向けてみてください。

 

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