走れ!東京ハイヤーマン 

仕事の神様からの警告イエローカード

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夜10時過ぎ
営業所に向かう途中

いつも渋滞して数分またされる交差点も、この時間となると車も人影もまばら。
右折しようとハンドルを右にきると、私の視界に右方向から歩行者が現れたので
ゆっくりと停車し、その人が歩道を渡りきるのを待って車を進めました。

すると後方からパトカーがついてきているのが目に入ったのですが
そこで静まり返った町中に気を使うように短く、かすかかに鳴った低いサイレン音

なんだろう?
一瞬何かやらかしたかと思ったのですが、自分としては、いつものコースでいつもと変わりない所作だったから、
そのまま余裕で車を進めること2秒ほどするとマイクで

○○ナンバーの運転手さん!

我が車を呼ぶじゃないですか!
その瞬間、先ほど交差点で歩行者が横断歩道を渡る場面が脳裏をかすめ去りました。

そういえば、いつもなら右折時、横断歩道の信号が赤になっているので人が渡ってくることがなかったのをなんとなく記憶していて
今日はその歩行者用信号が青。
初めて人が歩道を渡ってくるのを見て違和感があったのです。

ということは、信号無視か・・・
そんなはずは・・・

それにしても、よりによってこういう時になんで後ろにパトカーがいるのだろうか。
実は この日、車内で3時間以上も待機し、愛宕グリーンヒルズまでお客様を送って仕事を終えたあと
いついになく体の疲れを感じ、コンビニに立ち寄ってドリップの100円コーヒーをすすりながら一服入れたばかりだったのです。

警官との問答

車を停止させるとサイドミラーに警官の姿が映ってきたのでパワーウインドを開けました。

「今、右折したあの交差点、直進の矢印で右折したのをご存知ですか?」

と警官が質問
「あれ、そうでしたかね、 ここは毎日帰りに通るんですけど・・・」

以前も同じような違反をおかしたことがありましたが、その時は初めて訪れた場所でした。
今回は毎日通る交差点。逆に自分が見間違えるはずはないという気持ちの方が強かったのですが、実はどちらにも共通点がありました。

それは、信号の色を憶えていないということ‥‥

その日は反論するような気力も生まれず私は淡々とした口調で答えました。
すると警官は私が言った言葉を反復しながら
「あの信号はちょっと紛らわしいのですが 赤色時に直進方向の矢印が出るんですよ。
運転手さんはその時に右折したんです。」
「そうなんですか? でも、私ここ毎日通っているんですよ」

私も同じ返事を繰り返したのですが、これは別に弁明しよう、逃げ切ろう、そんな思いは微塵もなく、ただ事実を落ち着いて伝えようという、実に素直な気持ちでした。

「仕事の帰りですか?」
「はい。丁度会食がありまして、 愛宕までお客様を送った後に帰宅するところでした。」
すると警官は
「免許証見せてもらえます?」
私は即座に免許証を差し出すと、それをもって警官は懐中電灯で照らしながら、

「過去に違反とか事故はないのですか?」
「特に主だったのものはないですけど・・」

そう私が答えると、今度は運転履歴を調べるためなのか、後ろに止めたパトカーにもどって何やら照合作業に入ったようでした。

検挙されると反則金はいくらになるかな・・・
会社に報告して始末書か・・・
そんな思いが脳裏に浮かぶのですが、この日は本当に疲れていて、気力が萎えてしまい
どうにでも、なるようになれ・・と完全な開き直りモードでした。

約2分くらい時間がたったでしょうか
警官が再び私の車に来ると

「今回は注意ということにしますが、気を付けて下さいね」
警官の気持ちいいほど紳士的な態度に私は思わず
「はい、わかりました。ありがとうございます。助かりました。」
と答えてしまいました。

別に心が動揺したわけではなかったのですが、イエローカードですんだこの事件
慣れてきたからといって驕るなかれ。
ふんどし締め直せと、新しい年を迎えて仕事の神様が警告を下さったようです。

翌日信号機の確認

次の日、帰り際、捕まった交差点の信号の変わり方をしっかりと確認しました。
場所は北参道入口

赤色時に直進の矢印、そのあと青信号に変わる右折の矢印→が出ない信号だったことを改めて知りました。

この交差点は、外苑方面から来ますとガード下をくぐったところにあって、普段は車の流れから、自車が先頭に立つということがほとんどなく、いつも前を走る車について右折していたため、信号をよく見ていなかったというのも問題であったのです。

反則金 9000円 違反点数2点

改めて、今回「指導」だけで済んだことは不幸中の幸いだったと思いました。
しかし、なんとも恥ずかしい話です。
偶然この記事を読まれた方が、もしもプロドライバーであれば十分お気を付けくださいね。

 

 

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