アクシデントは突然に


後部座席のシートベルト着用

ハイヤードライバーのみなさん!
お客様が乗車されたときアナウンスで、
後部座席にいるお客様にシートベルトの着用をお願いしていますか?

7年前の道路交通法の改正で、後部座先もシートベルト着用を義務付けられていることは
ハイヤー乗務員であれば周知のことと思います。

高速道路で違反すれば、罰金は課せられないものの、行政処分の基礎点数1点が付されてしまいます。

時折、高速道路の料金所入り口のところで白バイが待ち構えていて、取り締まりをしている場面に出くわします。緑ナンバーは特に眼をつけられるので、高速道路走行時、実車中ではお客様のシートベルトに気をつけなければなりません。

そもそも後部座席の安全を守るという観点で改正された法律ですから、乗客に着用を促すようアナウンスすることに対して異論を唱える乗務員はまずいないでしょう。

ただ、乗車されたお客様が面倒がって着用しないために、どこまで我々が責任がもてるのか、難しいところですよね。
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アクシデントは突然に

さて、
クラウン新型ハイブリット車でお客様二人をおのせした時のこと。高速道路を利用し、呉服橋で降りました。
すると後ろで
「カチッ」っと金属音がしたので、お客様がシートベルトを解除したことがわかりました。

といっても、別段私は気にも留めずにそのまましばらく走行していると、突如警告音が鳴りだしたので、私は思わず助手席を見ました。というのも、その時鞄をそこに置いていたからなのです。

以前、荷物を置いていて警告音が鳴った経験がありました。
これは荷物を人間と勘違いして車のセンサーが反応したからだったようでした。ですから、今回も同じ現象かと思ったわけです。

ところが運転しながら何度か左手で荷物を動かしてみても、一向に音が止まりません。
この時点で、メカに強い人ならば、
ちょっと、それ新型クラウンでしょ!

この現象は後部座席のシートベルト着用に原因があるということがわかるはずです。

ところが、その時の私は全くの知識不足。(はずかしい…)
警告音の原因究明の確信が得られないまま、
どうすべきかと対応に躊躇していると、お客様も異変に気づきました
「この音は何ですか?」

この時、お客様に、
「後部座席のシートベルトを解除したたせいだ」と明言できなかった私のとった対処法は、
「一旦停車してエンジンを切ること」でした。

ちょど一方通行の細い路地に入ったこともあって減速していましたから、
「恐れ入ります。いったん停車してエンジンを切ります。」
そう言ってエンジンを切り、再びエンジンをかけなおしました。

警告音は無事収まり、後ろでお客様は
「これ、新しい車でしょう?」
いかにも車の電子的問題が原因じゃないかと言いたい様子でした。

もうあと少しで会社だ。やれやれ、
今日は朝から順調だっただけに、最後の仕上げの部分でつまらんちゃちゃが入ったような後味の悪さを感じながら、
それでも一応解決したので・・・と思って、
いよいよ会社の車寄せに入るところで、ハンドルを左に切ろうとしたら、
ぴこー ぴこー
またあの警告音です。

なんなんだ???

私は心の中で叫んでいました。
お客様も無言です。

きっとあきれたのでしょう。降りられるまで音は鳴り続けました。

バツが悪いと言ったらありゃしない。
あまりにもかっこ悪すぎる・・・
せっかくビシっと決めて気持ち良く営業所に戻ろと思っていたすべての計画が、この警告音で台無しです。

いったいこの車どうなっているの?
お客様二人は始終仕事の話をされていたので、この問題を敢えて取りざたする様子がなかったことが不幸中の幸いとなったわけですが、私は一秒でもはやくその場を立ち去りたい思いでいっぱいでした。

トヨタに連絡

「もしもし、警告音についての問い合わせなんですが・・・」
車を道路わきに駐車させ、事務処理を終えると、ダッシュボードから車検証を引っ張り出して、すぐにトヨタに電話です。
「新型のクラウンで、型番は・・・」
応対したのは女性です。

電話の声から、どうも派遣社員のような心もとない波動・・・
「少々お持ちくださいませ」
1分程度待った後に
「もしもし、お客さのお車のタイプですと
走行中に後部座席のシートベルとを解除しますと警告音が鳴ります。
その音を解除する方法は三つありまして、

①再度シートベルトを装着する
②リアドアを開ける
③エンジンを切る

以上三つの方法があるとのことです。」
応対の女性はエンジニアに教えられたそのままを、まるで伝言ゲームをするように、おどおどしながら私に伝えてきました。

なるほど
とにかく解除方法は明確にわかった!
しかし・・・
エンジンを切ったのにどうして警告音が鳴りだしたのか?
う~ん
考えられるのは
確かに私はエンジンを切ったのですが、
クルマがハイブリット車だったためでしょう、
電子的な回路にまだ帯電していて、スイッチがオフされず、
リセットがかからなかったのではないか。
これは、給油のためにスタンドに入った際に、エンジンを切っても、
店員がカードを受け取りに来る際、
ドアの窓のスイッチを入れると窓の開閉ができたことから、
連想できること。
古い型のガソリン車だと、
電気系統はエンジンを切った瞬間にうんともすんとも言わないんです。
だから
エンジンを切っていったん警告音は切れても、
再び未着用と車が判断し警告音を鳴らし始めたのに違いない。
そう結論付けました。

同じ過ちは二度としない

実は数日あと、やっぱり同じように高速道路を下りた後に
後部座のシートベルトをはずしたお客様がいました。
解除後も結構な速度を出していたので、
きっと警告音がなるだろうな、
そう思うのがはやいか、すぐさま音が鳴りだします。
お客さは、一体どうしたことかと少々驚いていましたが、
こちらはすでに状況を把握していますから、落ち着き払った余裕ある声で、
「恐れ入りますが、再度シートベルトを着用していただけますか?
この車、最新式で、道路交通法に準拠した仕様となっているために、
後部座席も走行中シートベルトを解除されると
警告音が鳴るようになっております。」

半ば得意顔になって応対する私の姿を、
きっと貴方はにやにやしながら想像したでしょうね!
予期していたらアクシデントになりません!
皆さんはきっと大丈夫でしょ??


アクシデントは突然に」への2件のフィードバック

  1. 東京ハイヤーマン

    KONIKONIさん、
    コメントありがとうございます。
    社長運転手をなさっておられるのですね。
    年始の挨拶まわりは一通りおわりましたか?

  2. KONIKONI

    はじめまして、社長運転手をしていますKONIKONIと申します。 楽しくまた、大変勉強になるブログ 拝見させていただいています。 これからも更新よろしくお願い致します。

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