目 次
アクシデント発生!
もう予想がつくと思います。
やってしまいました。
はいているズボンが裂けてしましました
それも股のところ
音もしました。
びりびりびり・・・
ホテルエントランス前でお客様を降車させ
運転席に体を滑り込ませた時でした。
音を出しながら勢いよく裂けたのです。
車内にお客様がおられなかったのが
不幸中の幸いとはいえ
アクシデントですから
当然想定外の出来事に
車内で一人苦笑いするしかありませんでした。
なんでこんな時にやぶけたのだろう
健康診断結果
ここ最近太ってきたなあ
そう感じてきたのは
はいているズボンの太ももあたりに
「窮屈さ」を感じ始めていたからです
確かに
おなかの周りに肉がつきましたし、
実はすでに昨年末の健康診断で
それまで最高76キロだった体重が
生まれてはじめて80キロの大台に乗っていたのです。
太った原因を分析する
別に暴飲暴食をしているわけでもなく
一回に摂取する量も以前とかわらない
夜遅くなってから食事をしているわけでもありませんが
はっきり言えることは
運動不足がたたっているという点でしょう
もう一点は
精神的に安定してきたことが挙げられます。
同僚のドライバーの中には
ジムに通ったり
筋トレをしたり
仲間とスポーツをしたりして
健康管理をしている人が結構います。
自分の体ですから
車同様、メンテナンスが必要ですよね
私も乗務員なりたての頃は
ランニングや筋トレをしていたのですが
出向したりして、職場環境が変わると同時に
気持ちに張りをなくし
体を動かす機会が激減ていたのです。
車内で交わされた健康談義
それぞれ、週一でスポーツジムに通ったり
晴れた日なら欠かさず一駅前で降りて
約20分程度歩いているという話をしていました。
その時の私は耳がロバのように大きくなって
後ろで交わす健康談義に気持ちが引っ張られ
運転に集中できなかったのを覚えています。
グランドハイアット東京で
さて、一旦降車されたお客様はチェックインされた後
1時間して、再び車に乗りこまれました
その場所から会食先であるグランドハイアット東京へ向かうためです。
もちろん、私のズボンは破れたまま
お尻のあたりからかすかな風が入りこみ
何ともいえない違和感を感じながら
どうにも身動きが取れません。
ただ、グランドハイアットは降車時
ベルボーイがドアサービスを必ず行って下さるので
精神的にはさほど追い詰められた状況にはなりませんでした。
ホテルに到着
ホテルでは想定通りでした。
お蔭で私は運転席から出なくて済みました。
しかしその場所で2時間以上待機する予定でしたから
当然ながらトイレに行きたくなったらどうしようか
それが問題でした。
案の定、駐車後30分もするとトイレに行きたくなったので
まずは、股がどの程度破れているのかを
把握する作業に入ります
お尻を少し持ち上げ
何度かかシャッターを切ってみましたが
フラッシュをたくと目立つと思って
そのまま撮っても、真っ黒く映し出されるだけです。
今回の股裂けによって
後ろからみると、下着の白い部分がもろに見えているのではないかと
そればかりが心配だったのです。
しかし、運転席に座ったままでは
いったい被害がどの程度拡散しているのかを
正確に把握することが困難でした。
結局私がとった行動は
先ほど新宿にて御客さまをお乗せする時のように
上着の後ろの裾の部分でお尻を隠すという
いたってシンプルな所作をすることによって
この難局を乗り切るしかないという結論を下したのです。
またも泣き面に蜂
悪いことは重なるものですね。
以前の「マンガみたいな話」を彷彿させます。
お尻の状況に気づかれないよう
そっと一階ロビーに滑り込んだのですが
遠くに見えるトイレの入口に何やら看板が立っていて
嫌な予感がしたのですが
近づいてみると
まさか・・・
そのまさかが的中です。
トイレは工事中で
2階にある化粧室を使うよう指示が出ていたのです。
このホテルの二階には上がったことがなかったので
普段ならいい機会だと喜んだでしょうが
今日は私の股に爆弾を抱えた身
あがる際にお尻が見えないようにするにはどうすべきか
そんな思いが頭の中をぐるぐると駆け巡っていきます。
一旦外に出て裏手にある入口から入ると
そこにはエスカレーターが二階に長く伸びていました。
周囲に人影がいないのを確認し
さっとエスカレーターに飛び乗って
そのまま歩いて行かずにじっとしながら
エスカレーターの動きに身を任せました。
豪華な化粧室
二階に上がると
化粧室はすぐに目につきましたので
ひとまず安心
中に入ってみて驚きました。
トイレとは言えないほどの美しい空間がそこに広がっていたのですね。
利用者がいましたし、私の股問題もありましたから
写真を撮る余裕もなく
すぐに個室トイレに滑り込んだのですが
入るやいなや
便器のふたが自動でパカッと開くではないですか
まるで
ご主人様、ようこそおいで下さいました
といわんばかりです。
仕事中ホテルの大便用個室に入ることはそうないのですが
こういう細部にいたるまでおもてなしの配慮がなされていることに
驚きましたね。
しかし
それも束の間のこと
問題のズボンの状況を確認すべく
ベルとを外してズボンを下ろしてみると
まあ、私の予想をはるかに超える被害状況でした。
音がした時に
私は股の部分の継ぎ目がほころびるようにして裂けたのだと思い込んでいましたが
実際に見てみると
縫い目から1センチほど離れた箇所が裂けてしまっていました。
こうなると、もう修繕不可能です。
営業所にもう一着予備のズボンがあるので
仕事が終わったら、一目散に帰って
着替えれば問題はそこで解決です。
しかし、いとも簡単に破れてしまう強度のなさに
正直呆れてしまいました。
それと同時に
運動をしなければたいへんなことになる
そういう危機感が押し寄せて
緩んだ私の心をびしっと締めてくれました。
生活習慣改善
その日からというもの
私は朝食前に簡単なエクササイズや
筋力トレーニングをするようになり
午後3時から4時の間に小腹がすく際に手を伸ばしていた
お菓子類の摂取を辞めることにしました。
そうしたら、1週間とたたないうちに
張りつめていたズボンに若干の余裕が生まれ
現在では,まだ80kgは超えているものの
徐々に体重が減り初めております。
人は何か身につまされる事件が起こらないと
自分を変化させるのが難しい
まさに健康への警告です!
それを実感させれた
「ズボンビリビリ事件」でした。