守秘義務

ハイヤー乗務員として、仕事上もっとも気を付けなければならないことは
運転面における安全ですが、
もう一つ重要な義務があります。
それが「守秘義務」です。

「守秘」

読んで字のごとく「秘密を守る」ということです

車内での会話、電話の通話内容など
乗務員として別に意識して聞こうと思わなくても、結構ヘビーな情報が耳に入ってきてしまいます。

ハイヤーを利用するお客様は
政界、財界の役員クラスの方が多いので
会社で公に話せない会話を車内から電話したり、
秘書との打ち合わせに使ったりすることも珍しくありませんから
その場に居合わせるドライバーは
存在していても、空気のように
静かに、目立たず、寄り添っていなければならないのです。

しかも、その密室で交わされたいかなる会話内容に関して
口外は厳禁となります。

入社する時には誓約書に判をつきますが、そこにこの守秘義務遵守の項目が入れられています。
もしも、守れなかったら損害賠償に発展していきます。
会社にとって、世間からの信頼を失うことほど恐れているものはありません。

ネット社会になって
様々な情報がネット上に漏えいすることも多くなってきました。

大手の会社では、
自社のイメージを損なう情報を事前にキャッチし
あらゆる手段を講じて消去しています。

実際に勤務している中で、会社が最も神経をとがらせ
注意を呼び掛けているのは事故や違反ですが
もし、ハイヤー乗務員が守秘義務違反を犯し
企業の重大な情報を漏えいして、それが大問題に発展したら
そのハイヤー会社は瞬時に信頼を無くし、業務はおろか
存続さえできなくなってしまうでしょう。

これだけ個人情報に関してうるさくなっている中でも
お客様は会社を信頼して個人の情報を提供しているので、
そういったお客様の信頼を裏切らないためにも
守秘義務の遂行は
まさに、会社、そして乗務員自身の生命線になっていることがわかるのです。