ハイヤー運転手はドラマの主人公になれる?(2)

ハイヤーがドラマの主人公になれない理由

タクシー運転手でさえ、ドラマの主人公になっているのに
どうしてハイヤー運転手はメディアに注目されないのだろうか
これはテレビ番組制作者側に立ってハイヤーという職業を見つめてみる必要があると思います。
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主人公になる条件

そもそも映画やドラマの主演、主人公になる人のキャラクターとして必要なのは、個性的で、見ている人にインパクトを与えるものでなければなりません。
ちょっと規格から外れた破天荒な部分も必要でしょう。
自己主張が強く自由奔放なんだけど、それでいて大衆から共感をもらえる憎めない存在・・・
従って主人公の職業もおのずとそういうキャラでも務まる内容でなければならなくなります。

以上のような条件を主人公が兼ね備える必要があるとするなら
ハイヤードライバーという職業を見てみると
主人公になるにはかなり厳しい要素が多分にあることがわかります。

ハイヤーがドラマの主人公になれない理由

理由その1

ハイヤードライバーは自己主張できない。
あらかじめ利用する人、行先が決まっているのがハイヤーです。
ドライバーが自己主張できるのは、目的地までの経路くらいでしょう。
こっちの道の方がすいてますよ。
この道の方が安全です!
しかし、こんなこと主張したところで、ドラマが盛り上がるわけありません

理由その2

ハイヤードライバーは規格にはまった人
運転手が規格外の破天荒なキャラで登場すると
だいたいお客様から
「なんであんな運転手をよこしたんだ!」とクレームをがきます。
しかも、そんな運転手を会社がいつまでも放っておくはずがありません。

理由その3

偶然性、意外性に大いに欠ける
あらかじめ行き先が決まっている仕事がほとんどですから、
奇抜なアイデアとか、突拍子もない行動などもってのほか、必要ありません。
いってみれば、当たり前のことをきちんとこなすことを要求されるので
ドラマの主人公としては平凡すぎてつまらないわけです。

理由その4

拘束時間が長く自由がない
タクシーは一度営業所から車を出せば帰庫時間まで出ずっぱりです。
しかし、その間、営業収入さえきちんと確保できてさえいれば
極端な話、自由に時間を調整して使えます。
(実際はGPSやデジタルタコメーターで管理されています)

こういうことができる職業だからこそ、タクシーの運転手が主人公となって何かの事件を解決するという設定が可能になるわけですね。

一方、ハイヤーとなると、出勤時間から退社時間まで、途中休憩や食事は自由に調節できますが、
基本的に一つの仕事で配車されれば、出庫して営業所に再び戻ってくるまでが一つの仕事になり、それを一日何回かこなします。

出庫する回数はその日によってまちまちですから、全く予定が立ちません。
その間、仮に待機時間があっても車から離れることができないため、
悪く言えば、まるで軟禁された状態なんですね。
そんな人が主人公になって、いったい何ができるというのでしょうか。

理由その5

守秘義務の縛り、車内での会話を口軽く他言することをハイヤードライバーはしません。
見ざる、聞かざる、言わざるに徹するように教育を受けている人たちです。
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また、政界、財界の要人を乗せることもしばしばですが
社会的影響力のある人は、場をわきまえているし、
もしも情報の漏えいが発覚した場合には、その出所はすぐに足がついてしまうでしょう。
もしもそうなったら大変です。
色々な圧力がハイヤー会社に来るでしょうね。

乗務員は、会社との間で取り決めた守秘義務違反により、最悪のケースでは
損害賠償を請求されることになるでしょう。

そもそも、こんな間抜けな乗務員を題材にしたドラマができたら
ハイヤーという職業のイメージダウンにもつながるため
業界団体もオンエアを阻止するかもしれません。

こうしてみると、ハイヤードライバーは脇役としては良くても
主人公、主演となると、ハードルがかなり高いことがわかります。


カテゴリー:  ■本音
東京ハイヤーマン

東京ハイヤーマン について

東京出身。大学を出た後、教育関係の仕事に就く。その後いくつかの業種(新聞社、病院検査会社、不動産、リフォーム建築)を経験。2008年、ハイヤー会社に転職し現在に至る。 既婚 妻子有