覚悟が必要なハイヤーの労働環境

会社に提出した履歴書及び職務経歴書についての選考が無事通過すると、改めて日時を指定され、運転技術のチェックを受けました。

試験日当日、面接官が車に同乗し、採用時のお決まりコースと思われる道順で約15分程度運転技術を見られたのです。どういう点に気を付けべきかは、入社後も聞いたことがなく、あくまで予想なのですが、アクセル、ブレーキの踏み方。右左折時の安全確認。ウインカーを出すタイミング。車線変更。そしてハンドル操作などでしょう。当時車を所有していなかったので、事前準備として友人から車を借りて運転の練習をしましたが、実際試験に臨んでみると緊張のあまり、普段の乗り方がそのまま出たという感じでした。

それと、試験に用いられた車両がいわゆるハイヤー仕様だったので、車体の大きさに圧倒される場合があります。ですから、もし事前に練習するのであれば大型の車でされることをお勧めします。

採用担当との面接で

採用担当者との面接の際、いくつか確認事項として挙げられた中に、この仕事に就くにおいて覚悟しなければならない重要な点がありました。

それは労働環境面です。

入社後に段々とわかってくるのですが、一番問題になるのは、拘束時間が考えている以上に長いということなのです。
扶養する家族をお持ちの方は特にこの点で躊躇してしまいます。

ハイヤーの勤務時間は一般的に通常午前8時から午後5時(8時間労働 休憩1時間)しかし、この勤務時間内の仕事だけでは収入にならない仕組みになっているのです。(2泊三日などの変則シフトを取る会社もある)

だいたいどこの会社も、基本給+実績給によって給与が支給されます。日中の時間帯にハイヤーを利用されるお客様が多くないことから、規定時間内の仕事だけですと実績給がつかない。もしまともな報酬(月30万以上)を得たいとなれば、早出や残業といった時間外労働をすることで、その分の手当をプラスさせる必要があるのです。

勤務体系は様々

大手ハイヤー会社だと、基本的に平日月曜日から金曜まで毎日8時-17時が基本労働時間として定めていて、中小になるとシフト制を採用しているところが多いです。たとえば2泊三日、明けて休み・・といった、変則的な勤務時間になるところもあります。

勤務時間外の仕事では、早朝の自宅お迎え会社送りや、夜、会食先に送った後、2~3時間待機し、そしてお客様の自宅までお送りする仕事が定番です。特に残業する場合、営業所に戻ると深夜0時を回ることもあります。

そして帰庫後、所内で運転日報の提出を済ませ仕事を締めた後に洗車をします。これが小一時間はかかりますから、帰庫時間が遅くなると遠方通勤の人は終電がなくなり、会社に宿泊するようになります。

繁忙期になると週末にしか家に帰れなくなることも珍しくありません。

妻帯者、扶養家族がいる人は検討すべき

労働環境の良し悪しは個々人の置かれた状況によりけりですが、妻帯者や扶養家族がある場合は、よく検討する必要があります。このミスマッチから採用後に早期に退職するケースがあることから、採用する側も面接時にこのような労働条件を受け入れられるかどうか確認があるのです。

(※最近残業時間の規制により減少傾向となっています。また2020年、コロナ問題で夜の街に出る機会が激減、残業がなくなっています)

 

暖かな応援クリックを
・・・↓↓↓↓・・・
にほんブログ村 その他日記ブログ 運転手・ドライバー日記へ
にほんブログ村


覚悟が必要なハイヤーの労働環境」への9件のフィードバック

  1. 東京ハイヤーマン 投稿作成者

    ムーさん コメントありがとうございます。
    ハイヤー乗務員が業務中、車内に持ち込む私物についてですが、私は今まで会社から何か指導を受けた経験はありません。
    研修中も私物に関して細かい指導を受けた記憶ももちろんありません。

    運転席で自分用の腰当のクッションなどは、車両に完全に固定してしまえば問題ですが、自分が乗車する時だけ使用する分にはなんの問題もないでしょう。助手席に私物を置くケースもたまにありますが、私は目立たないように黒の手提げやバックの中に収めております。それに時折、乗車人数が増えて助手席に乗り込んでくるケースがあります。そういう場合を想定して、助手席に置くときは、すぐにバックを取り出せるようにしておきます。

    返信
    1. ムー

      返信ありがとうございます。

      カバンに入れておくなど適切な対応が出来る状態にしておけばある程度の融通は効くようですね。
      クッションも置けるなら安心ですね。

      ありがとうございました。

      返信
  2. ムー

    こんにちは

    コメント失礼いたします。
    お聞きしたいのですが、ハイヤー乗務時は会社によって差はあるかとは思うのですが乗務員の私物品はどれくらいまで持ち込み可能なのでしょうか(個人のカバンや道路地図とか色々ありますが、運転席での腰に当てるクッション等)?
    見えないところになら可能(トランクの中)とか。
    タクシーではごく普通に運転手が置いているのを見かけますがハイヤーではどうなのでしょうか?
    東京ハイヤーマン様の会社の基準で構いませんので教えていただければと思います。

    返信
  3. nyantama

    >秘書も運転手に数時間待機してもらうことを申し訳なく思われる
    ここは秘書との人間関係に関係してくる場合があります。
    得に同じ社員同士だと、先輩後輩などの関係が影響することもあります。派遣さんだと、36法の壁がありますので
    待機させて残業時間がオーバーすると面倒なことになります。ということで業務委託派遣は尻尾振ってこきつかってくださいと営業してくるので、秘書としては楽ですね。
    もちろん頑張って稼ぎたいドライバーがいればいうことありませんが、転職の波にもまれて流れ着いただけの質の低いドライバーが多いのも事実。待機は自由時間と考えてしまうと大失敗します。次の行き先を確認、場合によっては下見したり、そして待ち合わせ時間が近づいたら、合図を逃さないように緊張して待つ。それができないと、あなたいらないから交代の世界です。それだけは逃してはなりません。
    私は1年間、某企業の運転手を、業務委託で行いましたが、みんな楽でしょといいますが、毎日緊張しながらやりました。おかげでクレームの一つも出ずに、縁あってプロパー(社員)運転手に転職しました。そのあとを継いだ者は、楽という言葉を勘違いしたのか、だらだらやったせいで、3か月で交代させられました。これが現実。

    返信
  4. 東京ハイヤーマン

    nyantamaさん
    コメントありがとうございます。
    11月後半から年の瀬が近づくにつれて会食が増えてくる時期となってきましたね。
    ただここ最近、その頻度が減少傾向にある・・いや、会食はあるのですが、車は現地送りのみで、そこで仕事がおわるケースが増えているように感じます。
    ハイヤーの使い方が以前にくらべて変化していることは確かです。これが役員運転手となると尚更で、秘書も運転手に数時間待機してもらうことを申し訳なく思われるようですよ。
    運転手仲間の一人は、わざわざ秘書室に出向いて、遠慮なく自分を使ってくれとアピールしているという話を聞きました。

    返信
  5. nyantama

    横レス失礼いたします。
    私は運転とは関係ない業種から、役員運転手になりました。
    最初は業務委託という形の派遣でいきました。
    派遣業界は、36法といわれる。残業規制があり、過度な
    残業はできない仕組みになっていますが、業務委託の場合は
    その点が非常にあいまいになり、はっきりとした規制はないのが現状です。
    役員運転手は役員様の自宅迎え、送りが基本ですので、人より早く出社して、人より遅く帰宅します。
    その分残業早出手当が付きますので、運転手側にも利がありますので、あまり問題視はされていません。
    でも体には負担がかかります。残業時間100時間くらいは当たり前の世界です。毎日会食という名の飲み会、土日はゴルフという役員様は非常に体力を要する仕事だと思いますが、それにつきあう我々も体力勝負な仕事だと思います。
    これから午前様が増える時期ですので、お互い気をつけましょう。

    返信
  6. ルパン

    ハイヤーマンさん
    ご丁寧な説明ありがとうございました。
    よく分かりました。
    これからもブログ楽しみにしております。
    お礼がたいへん遅くなり申し訳ございませんでした。

    返信
  7. 東京ハイヤーマン

    ルパンさんへ
    ブログ訪問及びコメントありがとうございます。
    ルパンさんは現在転職を検討中とのことですが、現職においてもハンドルを握っておられるというのであれば、ハイタク業界への転職は現実的に成功する確率は限りなく高くなりますね。
     ところで、どうして私が役員運転手に転職しないのかというご質問に関して回答致します。
    まず、結論から申し上げると、すでに役員運転手を「経験済み」であることと、今後役員車を担当する可能性はある・・ということ。そしてハイタク会社に所属するメリットが私にあるからです。。
    それから、役員付運転手が「楽だ」と感じたのは、ハイヤーの仕事を経験し比較できたからこそ言えるものなのです。
    役員付運転手に関して一言・・・
    自分が希望して役員付運転手になれるのかというと、これが現実的に難しい場合もあります。
    役員付運転手を専門に派遣する会社はたくさんあるのを存じておりますし、もし役員付をめざすのなら、そういう会社に所属するのが最も近道であることは言うまでもありません。しかし、運転経験、事故歴、違反歴、人物がどうなのかという点を厳しく審査され、実際は未経験者よりも、大手、中小のハイタク会社で営業経験を積んだ人たちのさらなる転職先となっているようです。
    ただこれも「ご縁」ですから、一概に未経験はダメだというわけでありませんが。
    ちなみに、東京に本社を構える大手上場企業の社用車のほとんどはハイタク大手四社から派遣された乗務員が運行管理を請け負っているというのが実情です。
    ハイタク会社に所属した場合、役員車を担当できるかどうかはわかりません。しかし、ハイヤー乗務員としてしっかりと業務をこなしていれば声がかかる可能性が高まります。
    会社としても乗務員を派遣したほうが安定した収益をみこめるため、積極的に推進しているからです。
    それから、役員車担当はよいことばかりではありません。役員の交代時期に突如終了となる場合もあり、そうなると最悪仕事がなくなることもあるのです。
    また、あまり動かれない役員に付いた場合には、目も当てられない給与となるケースもあり、それが数年間も続くとなれば、御一人であればなんとかやりくりできるかもしれませんが、扶養されるご家族がある場合は困りますね。
    楽だ、たいへんだ・・という評価は人それぞれの立場の違いによって変わります。
    たとえば貨物の運搬でハンドルを握るよりかは、ハイタク業界での仕事の方が肉体的には「楽」でしょうが、接客を伴うため、逆に神経を使いますし、責任も大きい・・、そう考えますと、やはり良し悪しを評価するのは「当のご本人だ」ということでしょう。

    返信
  8. ルパン

    はじめまして。
    ハイヤーマンさんのブログにたどり着きたいへん参考になってます。
    当方56歳にして転職を検討中です。
    現在の職が”自走ドライバー”なので、ハイヤー乗務員か、役員車運転士を目指しております。
    ハイヤーマンさんのブログの中に、「役員車運転士ほど楽な仕事はない。」といったコメントがあったかと思いますが、そうであれば何故ハイヤーマンさんは役員付運転手に転職しないのでしょうか?(求人は結構ありますよね)
    差し支えなければお教えください。

    返信

nyantama へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です