外国車導入 さらなるサービス向上につながるか

6月始め、ジャガー・ランドローバー・ジャパンが
日の丸リムジンにジャガー「XJラグジュアリー」3台を納車したというニュースが報じられましたね。

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今やタクシーがサービスの面や車両のグレードアップで躍進し、
このままいくと、
ハイヤーとタクシーとの差別化が難しくなるのではないか
という懸念もある中
外国車保有台数国内トップの日の丸リムジンが「ジャガー」というブランドを取り込んだというのは、
ハイヤー業界の今後を見据えたサービス戦略の一つなのでしょう。

また、ジャガー・ランドローバー・ジャパン社にとっても、
ベンツ、BMW、アウディといった人気ブランドに負けじと
広報宣伝の一環で、都心を走るハイヤーに目をつけたのでしょう。
お互いの要望がぴったりマッチした中で導入が実現したのではないかと
推測されます。

都内で外国車を保有しているハイヤー会社

外国車を使用するハイヤー会社はそう多くありません。
HPで見る限り、東京都内のハイヤー会社では2014年6月現在以下の7社

●日の丸リムジン
●国際自動車
●東京MK
●アウティック
●エコリムジン東京
●JTSA
●リムジンレンタル

ハイヤー車種を見ると
ベンツ BMWが圧倒的に多いのですが、中には
クライスラー(エコリムジン東京)やリンカーンナビゲーター(国際自動車)をラインナップに加えているところもあります。
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リンカーンナビゲータ.jpg
外国車を営業車に導入している会社が少ない最大の理由は、
コストの問題、即ち、車両の価格や維持管理がどうしても割高になるところ。
お客様への上質なサービス提供を考えると数台は導入したい外国車では
ありますが、背に腹は代えられないという事情があるわけです。

ただし、近年、科学技術の進歩とエコの意識が高まったことや、
ハイブリット技術共有から、外国車も以前のような
金食い虫にならないコストパフォーマンスの向上が
みられるようになりました。

先のジャガーXJラグジュアリーは良い例で、
高級感と馬力の大きさを全面に出してきたブランドであるジャガーも
時流に乗ってダウンサイジング化をはかった車種を市場に投入してきたのです。
今後他の外国メーカもこのようなB TO B(企業間商取引)において
互恵関係をベースにビジネスモデルを構築し、
市場に投入してくるかもしれませんね。

人と環境を磨き上げる

より質の高いサービスを提供しようとすると、
それは人と環境の両面においてバランスよくサービスの質を
レベルアップしなければ良い評価を受けることはありません。

ハイヤー会社にとっては、人とは、すなわち「乗務員」であり、
環境とは「車」となるため、
外国車導入により環境の改善を施しても、
乗務員の手掛けるサービスの質が向上しない限り、
利用するお客様からの高い評価は期待できないわけです。

会社が外国車を導入することにより乗務員から、
「そんな金があるんならボーナスをもっとあげてくれよ」
となるような社内文化だと、外国車導入が返って仇となる可能性が高いのです。
従って経営側も、乗務員に対して待遇面での配慮が少しでもなされれば理想的です。

例えば、外国車に乗務する場合は特殊車両手当といった特別手当を提供し
外国車を扱える乗務員という新たなステータスを創出することによって
乗務員のモチベーションを引き上げる施策を考えていただきたいものです。

究極のサービスを追求

究極のサービスは、
サービスをする側に「奉仕する喜び」が同伴しているものです。
お客様の喜ぶ笑顔がみたい・・・
ただそれだけで、夢中になって、相手のためになることを
真心を込めて行う姿勢こそ理想だと思います。

そういう無欲で純粋で暖かな接客が、最終的にお客様の心に感動を与え、
そのサービスに対する対価を気持ちよく差し出してくるようになっています。

その味を知ってしまった人は
会社の指示がなくても積極的に工夫を凝らしてサービスをはたらきかけるでしょう。
お客様も、ロボットのようなマニュアル通りの接客にはうんざりしているわけで、
ほしいのは真心込めた温かみある接客なんですね。

外国車導入で、乗務員も新たな刺激を受けて
サービスの質に変化をもたらすことができれば、
その会社は成功街道をまっしぐらに進むことになるはずです。