役員付運転手について 2

役員付運転手は、「車庫番」と呼ばれる、営業所に乗務員が待機し、デスクから配車を受け、その日の仕事をこなしていくスタイルと違い、
文字通り、ある特定の企業に出向し、その会社役員の移動手段として使用される車両の運行業務を請け負うというものです。

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実は社内的にこの役員付運転手も大きく分けると二種類あります。
一つは、ハイヤー会社の車両を顧客の会社に持ち込んで請け負うタイプ。
もう一つは、出向先の会社が所有する車両を使用して運行業務を請け負うというもの。
言ってみれば、緑ナンバー(営業車)で運転業務を請負うのか、白ナンバーで請け負うのかの違いとなるのです。乗務員同士の会話の中では、白か、緑かと、色で呼び合ったりしています。

役員付運転手を派遣する専門の会社もある

ハイヤー会社ではなく、人材派遣会社を通して役員付運転手になることも可能です。
この場合、会社所有の白ナンバーの車であれば、あえて二種免許を取得しなくても就労は可能ですから、役員付運転手を強く希望される方はそちらのルートから応募してみるのが早いかもしれません。

緑型と白型

わかり易いように、車両持ち込みを「緑型」、出向先の車両を使用する場合を「白型」とここでは呼ぶようにしましょう。
この二つのタイプどちらとも経験してみますと、そこに「違い」があることがわかってきます。
まず、担当する乗務員の立場からみたこの「違い」について説明しましょう。

緑型

車両は顧客用に決められますが、顧客が使用せず休車となる場合は、
時としてその車を別の仕事で使用するケースがあります。
基本的に営業所から出庫し、仕事が終了すると営業所に帰庫します。
大手ハイヤー会社では、メインとなる担当者とサブ(あるいはスペアと呼んだりする)がついて、メイン担当の非番時にサブが担当しながら、二人三脚で先方顧客の車両運行業務をサポートします。

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サブ担当はそう頻繁に交代する機会がありませんが、引き継ぎはしっかりとされており、普段は車庫番をしながら、いつでもスイッチできるように準備しています。

このサブ担当になる人は、入社して正式雇用契約を結んだ比較的社歴の浅い人が当てられるいケースが多く、将来の役員運転手候補として養成しようという会社側の意図があるようです。

緑型のメリット その1.・・・収入面

一つは収入面での安定が図れるということ。
会社の給与規定によって若干の違いがあるものの、ほとんどの会社が固定給+歩合給となっていて、固定の部分はだいたい10~17万の間の設定、それ以外は自分がこなした仕事量に応じ歩合給が加算されていくようになっている会社がほとんどです。
従って、車庫番になると日々の仕事に波があり、一か月の自分の収入がなかなか読めません。

その点、役員付運転手は、顧客が使用する頻度が安定してくるということ。しかも、朝迎えの時間が早く、遠方であればあるほど、規定時間外労働が長くなります。
さらに会食などで役員の帰宅時間が遅くなれば、それが残業としてカウントされることになるので、一か月通してみると、5~8万ほど上乗せされていきます。

車の利用頻度の高い役員に付いた場合、収入は比較的高い水準で安定していくようになるのです。
私の所属する会社では、仮にあまり使用されなかった場合は、車庫に戻ってから、車庫番として配車を受けることもできます。ですから、意欲的に働きたい人は、積極的に配車デスクにラブコールし、仕事を回してもらうようにしています。

もう一つのメリット…車両管理

なんといっても使用する車が決まっているというのは、日々使用する車両が変わる「車庫番」よりも格段に体が楽になります。
ハイヤーの仕事は肉体的にそんなにきつい仕事ではありませんが、拘束される時間が長いというのが難点。
それは役員付運転手の場合も同じです。

メインの仕事は役員宅への送迎、および日中の社用による運行業務となります。

朝は役員を7時ないし7時半に迎えに行き、少々遠い場所になると6時台には家に着いていなければなりません。上場企業役員の出社時間は、一般社員よりも早い場合がほとんですから、少なくても会社の始業時間30分前には到着しておく必要があります。

そもそも、あまり遅い時間に都心に入ろうとすると、混雑のために余計に時間がかかるため、早目に出勤する傾向にあります。
となれば、担当者が営業所から車を出庫させるのは、少なくても1時間前となるでしょう。
出庫前の諸々の準備を考えますと、遠方から通勤している乗務員の場合、
始発電車に乗っても間に合わないということも起こりうる話で、
しかたなし前日夜から会社に泊り、通称「おこし」の世話になりながら
眠い目をこすり準備をして出庫するということになります。

役員クラスが定時に帰宅するといっても、会社から小一時間は最低かかります。
送った後に営業所に戻って運行業務の報告を終えたあと、洗車をしますが、
会食などがあれば、当然帰庫時間が遅くなりますから、明日のことを考えると早く身支度して帰宅し、休みたいという気持ちが心を占領します。
そんな時に、明日のために洗車をしなければならないというのは慣れていても結構な負担となるのです。

使用する車両に変動がなければ、晴れた日であれば、車に付着したほこりを毛ばたきで拭い去り、タイヤ、ホイールを洗って、窓ガラスをふき、使用した座席の整頓をすれば、ものの15分程度で済んでしまいます。
これが車庫番となると、使用した車を明日使用する人がいるし、車を管理している先輩乗務員の手前、文句が出ないように、きちんと洗車しておかなければならないわけです。

車に水をかけたら最後、洗車終了には最低1時間は必要となりますからね。
時計を見ると、これから洗車した場合終電に間に合わない・・・・
今日も会社泊りだ・・・、これで何日帰ってないか・・・
枕が変わると寝付けが悪く、疲労は蓄積するばかり・・・
仕方がないなあ・・・

どのハイタク会社も洗車時間は残業としてカウントしませんから、できれば手っ取り早く終えたいもの。
しかし、車の整備は事故を防ぐことにもつながるというのが通説。手抜きは禁物だということも知っています。
ですから、使用する車が決まっているということは、それだけ業務上の負担が軽減されるのです。

メリット 3 自分のペースで仕事ができる

これは白型にも言えることですが、顧客企業のほとんどが秘書課を通して1週間分(企業によっては2週間分)の運行予定表を渡してくれます。配車時間や行き先があらかじめ分かっていれば、実に仕事の組み立てがしやすく、さらに慣れてくれば休暇を最大限活用できるようになります。
ここが車庫番と大きく異なるところであり、精神的にも安定してきます。

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注意点

ただし、気を付けなければならないのは、体調管理もそうですが、「体型管理」かもしれませんよ。

早い人だと、出向するようになって1か月もすると、緊張のあまりこけていた頬にふっくらと肉が付き、腰回りに贅肉が付き始めていくのです。
年2回ある健康診断を受けるたびに体が横に成長し、以前はけたズボンがきつくなって、ベルトを緩めなければならなくなるなんてことが起きてくるんです。

   役員付運転手について1 👈 ◆ 👉 役員付運転手について3

 

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