役員付運転手について 【ハイヤーから役員付運転手へ】

ハイヤー会社に入社して、1年もすると会社から企業への出向の話が持ち上がることがあります。いわゆる役員付運転手になるという話ですね。

特に会社役員の交代時期が集中する6月の1,2か月前となる4月から5月にかけて社内的に人材の準備が忙しくなります。

この役員付運転手を「派遣」とか「請負」「専属」「チャーター」などと様々な呼び名がつけられています。

どんな場合に出向の要請が来るのか

新規の出向先ができた時や、長年請負った運転手が定年で交代するケース。顧客から運転手の交代要請があった時です。

中には、諸事情から自ら役員付運転手の交代を会社に要請する人がいて、欠員が出てしまう場合などは、時期外れで突然に要請が来ることがあります。

誰もが役員付運転手になれるのか

こればかりは何とも言えませんが、社内的に設けられた基準があるようです。

しかし、営業担当の推薦や営業所長の鶴の一声などがあったり、タイミングよく顧客の要望する条件にマッチした人に白羽の矢が当たるケースがあって、何ともいえません。

ただ、客観的に見て、ああ、この人だったらあの企業の役員付運転手として申し分ないなという人が選ばれています。
すなわち、

・誠実そうに見える
・清潔感あふれる好青年
・向上心あり、真面目に仕事に取り組む姿勢がある
・ミス、クレームがない
・無事故、無違反

学歴はよりは経験重視であり、人柄、特に機転の利く人でないとなかなか務まらないのではないかと思うことがあります。

それから
役員クラスは60歳以上の高齢者が多いので、目上の人から可愛がられるようなタイプの人は間違いなくお声がかかると思います。

長い人だと、10年以上出向先の企業に勤務する場合もあって、歴代の会長や社長に仕える人も少なくないのですから、役員付運転手として要請を受けた乗務員さんは、そのこと自体誇りに思ってよいのではないでしょうか。

会社側が選考した人も採用されないことがある

これは至極当然な話ですが、会社が選抜した人材でも、相手企業の面接や実際相役員に試乗してもらった上で最終決定されるところがあって、相手方企業から蹴られてしまう場合があります。

ですから一概に会社から出向の要請を受けたからといって手放しに喜べるものでもありません。

また、ごくまれにですが、1,2週間利用された後に交代要請が来る場合もあります。企業側が要請する人材ではなかったことによる交代です。

ハイヤー会社側は、選抜した乗務員が気に入らなかったなら、いつでも遠慮せずに申し出てほしいと顧客に対して言っているからです。

役員付運転手の価値

上場企業役員は、社会的地位があり、高学歴でしかも大企業の舵取りをする、言ってみれば企業の財産ともいうべき人たちです。
そういった人の安全を確保しつつ運行業務を担当するというのは、なかなか願っても実現することが難しいのではないでしょうか。

同じハンドルを握る仕事の中でも責任が重くステイタス性の高い仕事の一つではないかと思います。
自分自身にもそれなりの「器」が必要になるのかもしれませんね。

ハイヤー会社に入社し正規雇用されるまで、いくつかのハードルがあったかと思いますが、役員付運転手になるのは、さらにもう一段高いハードルを越える必要があるのです。

 

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