中央環状 全線開通で何が変わる?

首都圏3環状道路で初の環が完成

3月7日16時より首都圏3環状(中央環状、東京外郭環状、圏央道)のなかで
中央環状線の品川線(渋谷~品川間)の開通によって
中央環状線が全線開通します。
首都圏に初の環が完成するということですね。

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六つの期待される効果

この中央環状全線開通により、以下のような六つの効果が得られると
首都高では説明しています。

①アクセスの向上
②渋滞の緩和
③防災力の強化
④経済力の強化
⑤環境の改善
⑥時間短縮

●アクセスの向上
臨海部のレジャー施設に対するアクセスが向上する
全国に伸びる高速道路とつながるので観光エリヤが首都圏から全国へ拡大する

●渋滞の緩和
中央環状線全線気通により、都心環状に流れていた車が分散され渋滞が緩和される

●防災力の強化
突発的な通行止めが発生した時の迂回が可能

●経済力の強化
東京湊から陸揚げされた国際コンテナのうち
高さ4.1m以下の貨物車両が一般道を通らずに中央道や東名高速を通過し近県に輸送が可能となり
国際コンテナ物流が効率的なものとなるので、経済力効果に貢献する

●環境の改善
周辺幹線道路の渋滞が緩和され、CO2排出削減にも寄与する

●移動時間の短縮
新宿 羽田 20分短縮
関越道 東北道へのルートも30分近く短縮できる
羽田空港が更に利用しやすくなる

このように希望的観測を提示しています。
とても夢が広がりますね

デメリットはあるのか?

いいこと尽くしのように宣伝しているものの
なんでもそうですが、
新しいものが生まれれば、古いものの中ですたれたり、
淘汰されるものが必ずありますし、予測不可能な副作用もきっと出てくるでしょうね。

中央環状線全線開通は確かに喜ばしいことですが
実は東京五輪を5年後に控え
首都高の老朽化問題と、その改善という大きな課題があって
それが首都圏の交通にどのように影響するかという問題があります。

首都高の大規模更新の計画をみますと
1号横羽線 東品川桟橋・ 鮫洲埋立部
高速大師橋
3号渋谷線 池尻~三軒茶屋間
都心環状線 竹橋、江戸橋間
銀座、新富町間
が挙げられていますし

事業年度を見ると平成40年となっていますから
あと13年もかかります。

13年後って、みなさんハンドル握っていますか?
計画では、車の流れに影響させないような工夫が施されていますが
宣伝文句にあるような効果を実感するのは、
開通直後のある一定の期間であって
更新や改修工事が始まれば、
また効果は半減してしまうのではないかと感じます。

運転者はあまり大きな視点で物事を考えても
現実を変えることはできないので
とにかく、いかにしたら今ある環境を最大限に活用して
それぞれのミッションに役立てられるのかを考えることの方が
よいでしょうね。

特に、我々東京都心で活動するハイタク業界のドライバーにとっては
時間短縮できる手持ちの切り札が増えるというのは
業務上プラスになりますから
この新しいルートを早めに頭にいれておく必要があります。
いざという時に効力を発揮できますからね。

ただし、
距離と時間が短くなるのは良いのですが
我々の営収に微妙に響いてくるというのは、
無視できないんですけどねえ・・・

首都高速道路の更新計画について詳しく知りたい方は
PDAファイルの資料をご覧ください。

http://www.mlit.go.jp/common/001044539.pdf