知ってました? 当り屋グループ都市伝説

先日私の元に一枚のチラシが届けられました。

ある大手飲料メーカーの配送ドライバーから回ってきた情報だということで、
仕事で出向いた企業の秘書さんからいただいたものです。

IMG_4626.JPG

「当り屋グループ」が山口県や関西方面から来ているという情報
被害が続出しているようなので、くれぐれも事故をおこさないよう注意して運転してくださいね。
渡される時に、そう一言添えられました。

先回信号無視による警察からの指導事件があったばかりでしたから
今度は事故に対する注意喚起をされたように感じて
チラシを受け取るとすぐに記載された文字を丁寧に目で追いました。

お台場周辺でも目撃情報?

お台場周辺でも3~4台の目撃情報があるそうだ・・・
太字で書かれた下に1から5まで箇条書きにされた内容がありますので順を追ってご紹介します。

【1】下記のナンバー車両と接触事故を起こした場合は、その場で示談せず直ちに警察へ連絡すること

ataria list.jpg

列挙された当り屋グループのナンバーリストをみると
山口、大阪 なにわ 水戸 和泉 神戸 姫路ナンバー 合計84台
中には女性ドライバーも存在しているようです。

【2】警察が到着する前に、自分の勤め先や氏名、住所、電話番号を教えたり免許証を見せたり絶対しないこと

【3】このチラシのコピーを必ず携帯すること

【4】友人、知人に至急知らせてあげてください。

そして最後【5】には

社用、自家用車を問わず、このコピーを出来るだけ多くの方に配布して知らせてください。
となっていました。

当り屋グループの「当たり方」

当り屋グループはどういう方法で当ってくるのかに関しては
●サイドブレーキを引いて停止するのでストップランプが点灯しない
●後方から異常接近してくる。
というもの。

前方を走る車のブレーキランプが点灯しないとなると、特に混雑時にはたしかに危険です。
ただ、私は「グループ」というので、なんとなく暴走族を連想し、複数の車で激しく攻めてくるものと思ったのですが、出ている情報を読む限り組織的な動きはない様子です。

私は最後まで目を通すと、
― これはやはり営業所にも報告すべきだな・・
そう思ったのですが、
ここでふと、こういう情報が私の手元まで来たとなれば、今の時代ですから、すでにネット上で拡散しているに違いない・・・

それで、すぐさまスマホで「当り屋」で検索をかけてみたら
な、な、なんと・・・やっぱり拡散してました!

この情報はすでに30年も前(昭和61年ころ)から出回っていて
たとえば山口ナンバーの車が多く掲載されていますが、
山口県警ではそのような事実はないといった広報をしていたようです。
(山口県警のHPには現在掲載はありませんでした)

そして、いくつかのブログなどのサイトで紹介されていた情報や、
当り屋のナンバーリストは私が今手にしているチラシの内容とほぼ一緒であったのです。

更に、こういった善意のデマ情報に関して、その広がり方を研究対象にしている大学もあるということがわかりました。

30年の間、都市伝説のように広がっている「当り屋グループ」情報

車の中で、一人苦笑い・・・

nigawarai_man.png

なんだ。ガセネタか…

しかしこんなチラシ見せられたら、誰だって善意で回覧するだろうに・・・

昔はこの手の類の情報は紙ベースで回覧されたり、ファックスで送られたりしていたので、事の真偽がはっきりしないままな長い年月をかけて拡散していったようです。

しかし、今やインターネットの普及拡大により、ここ10年ほどで情報伝達は電子媒体に完全に移行しましたし、検索機能も充実してきたので、ある程度のガセネタを選別できるようになりました。

しかも、返って不確かな情報を拡散しようものなら、発信元を特定されて、いわゆる「ネット炎上」することもありますから、常識ある人は、自分のもとに来た情報が正しいかどうかを真っ先にネット検索して調べるわけです。

ところが、私も秘書さんも似たような世代の人
すなわち、紙から電子へと情報伝達媒体が移行する中間的な時代に生きてきたので、すぐ検索する・・・といった癖がついておらず、舞い込む情報を鵜呑みにしやすいのですね。

特にこのような善意と取れる情報は注意喚起の意味も含めて、すぐにでも知らせたいと思うでしょう。これは危うく恥をかくところでした。

私の知る「当り屋」とは

私がかつて「当り屋」の存在を初めて耳にしたのは小学生のころでした。

東京に山谷というところがあって、(現在の東京都台東区北東部にあった地名 現在の清川・日本堤・東浅草付近))ここには当り屋が出没するから、車で通るときには十分注意しなければならない・・・知り合いの車に同乗したときに言われた記憶がまだ頭に残っています。
しかし、この「当り屋」は車を使うのではなく、人が車に当たってきていちゃもんをつけるというものでした。

こういうたぐいの当り屋は今でもたまにあるようで、
イスラム国の自爆テロのような筋入りの当り屋に運悪く遭遇してしまうと我々営業で車を使用するものはひとたまりもありません。

まだ車のほうが、車間距離を十分にとることや、周囲の車の動きに配慮して、いわゆる防衛運転を心掛けていれば、高い確率で危険を回避できるであろうと思います。

事故は人間同士のぶつかり

どちらにしても営業車にとって、違反と事故は常に気をつけなければならないことです。
そして、仮に事故を起こしてしまった場合でも、相手が当り屋であれ何であれ、区別なく一貫して誠意をもった姿勢で対応することが最も重要ではないかと思います。

車同士ぶつかったといっても、最終的には人間同士がぶつかるのですからね。

今回私の元に舞い込んできた、いわゆるガセネタ都市伝説も
信じるか信じないか、それはあなた次第です!
ではなく、どうしてこのタイミングで届けられたのか、そう考えることにしました。

どこまでも基本に忠実に業務遂行すべきであり、
“漫然とハンドルを握るべからず”
といった、私に対する忠告の情報には変わりないのですから。

参考 中国新聞の記事
2002年5月29日付
http://www.psy.ritsumei.ac.jp/~satot/rumor/rumorJPEG/%92%86%8D%91%90V%95%B7020529.jpg

 

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知ってました? 当り屋グループ都市伝説」への4件のフィードバック

  1. 東京ハイヤーマン

    クラクションを鳴らす事態というのはそう滅多に遭遇しませんが、変な車の動きは結構わかるものですね。
    防衛運転の意味からも、そういう車には兎に角近づかないというのがのが正しい姿勢でしょう。

  2. nyantama

    当たり屋でなくても注意したい車はありますね。
    老齢の方の運転はとくにそう。
    地味なセダンもしくは軽でふらふらしているのを見たら
    絶対に近寄りません。先日は右折レーンにいるのに左に曲がろうとしたのがいて私をふくめ数台と接触しそうになり、役員様がいいとおっしゃるので、クラクションを鳴らしました。そして寸でのところで止まりましたが、私の後ろがパトカーだったため、そのまま御用でしたね。わたしはそのまま行っちゃったんで後のことはわかりません(笑)

  3. 東京ハイヤーマン

    なるほど、それはお詳しい。
    こういうデマもすぐに見抜けてしまうとは・・・やはり無知はいけませんな。
    もっと勉強せねば・・・

  4. nyantama

    こんにちわ
    私的には、仮に当たり屋がいたにせよ、
    どのような車に乗っているのか?
    に興味が行きます。で、このリストを見ると
    姫路33って、、、いつの時代の車???
    3けたのナンバーになってもう10年以上たっています。
    ぼろぼろの昭和の車なんて、当たり屋でなくても近寄りたくありません。
    そこが注意点ですね(笑)

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