愛する「私の車」

毎日乗車する車が変わる新人時代を経て、
数年後、運よく担当の車があてがわれると、
より仕事に愛着がわいてくるものです。

大先輩は新車があてがわれ、
それがレクサスやマジェスタなどハイクラスの車だと、
管理する責任意識もさらに高まって、
仕事で使用する車から、「愛する車」と変化するのです。

もしも高級車を自分で購入した場合、
自動車税、保険料、駐車料金、その他もろもろ維持にかなりの経費がかかります。

ところが仕事で使用する車の場合は基本的な維持費に加え、
ガソリンもメンテナンスも会社が負担し、
やることといったら
車の内外の掃除と、基本的な点検くらい。
しかもその愛車に乗って仕事までできるのですから、
車好きの人は、もう天国のような環境となるわけです。

待機時間は寝てもよし、読書してもよし、
一度この味を占めてしまった人は、もう他の仕事に就こうとは思わないでしょう。

社内での文化活動や、スポーツなどで乗務員同士の交流もありますから
性格的にマイペースで仕事をしたいという人にとって
ハイヤーの仕事はうってつけだと思います。

同僚の「愛車」に乗る

さて、
ある時、走行距離20万キロ以上で
導入後7年は経過している車に乗ったときでした。

その車には担当者がいて、彼は実にその車を文字通り「愛して」おりました。
愛されている車というのは、運転席に座った瞬間感じてくるものですね。

車外、車内隅々までピカピカで清潔感が溢れているのはいうまでなく、
ルームミラーが自分好みのものに付け替えられ、ネズミ捕り屋オービスの位置を事前に知らせるセンサーが搭載され、自分仕様にカスタマイズされているのです。

会社の車にも拘わらず、かなりのお金を投入してました。
本来なら、ほかの人に乗せたくはないだろうなあと、感じてしまうほどの入れ込みようです。

アクセルを踏むと、
同じ車種に乗った時と明らかな違いが体に伝わってきます。
素晴らしく加速が良いのです。

あとでご本人に聞いたところ、
エンジンオイルも会社が使用しているものは使わず、
独自に購入し、メンテナンスをしているということでした。

道理で・・・

彼の入れ込みようは結構有名でした。
ですから、洗車する時も、
その彼にお伺いを立てる人も少なくありません

人も車も愛すれば輝くもの。
「愛する」という思いは、どんなものでも、その持てる価値を最大限発揮させ、輝かす不思議な力があると、私は信じます。


カテゴリー:  ■教訓
東京ハイヤーマン

東京ハイヤーマン について

東京出身。大学を出た後、教育関係の仕事に就く。その後いくつかの業種(新聞社、病院検査会社、不動産、リフォーム建築)を経験。2008年、ハイヤー会社に転職し現在に至る。 既婚 妻子有