ハイヤードライバーの担当車・・愛する「私の車」

担当車をもつことができるチャンスは新車導入時

入社後、新人研修を修了し、晴れてハイヤー乗務員として仕事が始まると、保有台数の多い大手四社であれば、毎日乗車する車が変わるというのが常です。時にはセダンからワンボックス車に乗り替える場合もあります。自分が使用した車は、後に洗車して現状に戻すことで一日の仕事が完了するため、車の乗り換えはできれば避けたいものです。

軽微であっても極力事故を起こすリスクを最小限にとどめたいので、できれば使用する車を固定してもらうというのが理想的です。もちろんそれは乗務員以上に配車担当が気をつけているところとなります。

それで、正社員登用後1年~2年くらいすると先輩の担当する車をサブであてがわれるようになります。

さらに勤続年数がある程度経過すると、新車導入時などに上から声がかかり、自分が担当する車があてがわれるようになります。こうなると、以前にも増して仕事に対する愛着がわいてくるものです。

会社負担で高級車に乗れる環境

年功序列的に古株の大先輩に対して優先的に新車があてがわれ、それがレクサスやマジェスタなどハイクラスの車だと管理する責任意識もさらに高まるのか、仕事で使用する車は我が子のように「愛する車」と変化するのです。

考えてみてください

もしも高級車を自分で購入した場合、自分の所有になること以外には、自動車税、保険料、駐車料金、その他もろもろ維持にかなりの経費がかかります。それでいて自車に乗る機会は休みの時くらいでそんなに多くありません。

一方、仕事で使用する車の場合は、先に挙げた基本的な維持費に加え、ガソリンもメンテナンスも会社が負担してくれますから、やることといったら、車の内外の掃除と、基本的な点検くらい。
しかもその愛車に乗って仕事までできるのですから、車好きの人は、この環境こそ「天国」となるわけです。

待機時間は寝てもよし、読書してもよし、
一度この味を占めてしまった人は、もう他の仕事に就こうとは思わないでしょう。

同僚の「愛車」に乗る

さて、
ある時、走行距離20万キロ以上で導入後7年は経過している車に乗ったときでした。

その車には私の良く知る乗務員が担当となっていて、彼はその車を文字通り「愛して」おりました。
愛されている車というのは、運転席に座った瞬間感じてくるものですね。

車外、車内隅々までピカピカで清潔感が溢れているのはいうまでなく、ルームミラーが自分好みのものに付け替えられ、ネズミ捕り探知場所やオービスの位置を事前に知らせるセンサーが搭載され、自分仕様にカスタマイズされているのです。

会社の車にも拘わらず、かなりのお金を投入してました。本来なら、ほかの人に乗せたくはないだろうなあと、感じてしまうほどの入れ込みようです。ちょっと悪い言い方をすれば、まさに「私物化」しています。

アクセルを踏むと、同じ車種に乗った時と明らかな違いが体に伝わってきます。
素晴らしく加速が良いのです。

あとで本人に聞いたところ、エンジンオイルも会社が使用しているものは使わず、独自に購入し、メンテナンスをしているということでした。

道理で・・・

彼の入れ込みようは結構有名でした。
ですから、洗車する時も、その彼にお伺いを立てる人も少なくありません。

車好きの人にはたまらない仕事環境

車も人のように目をかけてあげ、大切に愛すれば輝くものですね。
この「愛する」という思いは、そのものの持つ価値を最大限引き出して輝かす不思議な力があるなあと、つくづく思います。

車好きの人であれば、40代以降にこのハイヤーの仕事に携わってもいいのではないでしょうか。最高の環境がここにあるのですからね。

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