まさかのコロナ感染経験者に遭遇した話をします

閑散とした羽田空港

羽田空港のお迎えの場合、営業車ならハイヤー乗り場で待機ができますが、白ナンバーで行く場合は空港の駐車場に入って待機するのが普通でしょうね。

ただ、ここ最近の私は、JAL便、ANA便共に第2ターミナル出発階の一番突先のところに停車してお客様の電話を待つというのが定番になっています。

これは、このところ第1ターミナルの駐車場P1の1、2階で工事をしていて、3階以上に上らなければならない億劫さがあることや、コロナによる空港利用者の激減で、同じように出発階で待機する車両が少なくなったからなのです。

お客様が感染していた

さて、その第2ターミナル到着階にて、時折ご利用される勝手知ったるお客様から「16番のバス停あたりで待ってます」との連絡が入りました。

そして、指定の場所からお客様が車に乗り込まれるなり、

「ご無沙汰しておりました。お変わりありませんでしたか?」

この私の挨拶に対し第一声に帰ってきた言葉が

「いやあ、実はね、コロナになってしまってね、・・・」

私は思わず、マスクを眼鏡が吐息で曇ってしまうために鼻の下まで降ろしていたましたが、反射的に上に持ち上げて身構えてしまいました。

お客さまは続けて

「いやいや、もう退院後もPCR検査で陰性と出てるし、退院してもう10日以上経つから大丈夫やと思うけど・・・」

ニュースを見れば連日、東京は何人、どこどこで何人・・全国で・・・と速報が流れていて、身近にコロナ患者が現れても不思議ではありません。でも、まさか自分が車の中でコロナ感染経験者と一緒に過ごすことになろうとは想像すらできず、余計に警戒心が高まりました。

もともと気さくな話好きの方で、車の中ではよく世間話しています。だから、自分がコロナにかかったことを明かしたら私がどんな反応を示すのか見てやろうといった、半ば茶目っ気もあったのかもしれませんが・・・。

ただ、こうなると、同時に興味関心も異様に沸き起こってくるものですね。どのような経緯から発病し、どんな治療を受け、そして最終的に退院後どうなったのか、この際だらからと、目的地の池袋駅まで首都高で向かう間、お客様の話に相槌を打ちながら、時折ずけずけと質問をしたりしたのです。

コロナ感染の経緯

さて、事の次第はこうでした

突然39度の熱が出たのが1月15日。

ただし、いわゆるコロナ感染による味覚や嗅覚の障害といった自覚症状がなく、とりあえず近くの病院に行って診察を受けたところ、医者からは「ただの風邪でしょう」と言われた。

ところが発熱のことを会社に報告すると、社の規定だから念のためPCR検査を受けてほしいということで、手配された医療機関でPCR検査を受けた結果、「陽性」と出てしまった。

本人は別に変なところに行った記憶がなく、どういう経路で感染したのかわからない。

しかし、陽性反応が出てしまったため、すぐに指定されたホテルに宿泊するように言われた。

そして、保健所では濃厚接触者に関する聞き取り調査は行われなかったが、会社では、それまで数日間の行動の中で接触した関係者を聞かれ、現地で乗り込んだ車のドライバーと、その時同乗した役員が濃厚接触者に該当し、気の毒にもこの二人は一週間自宅待機を強いられるようになってしまったんだとか。

感染拡大を抑えるための処置としては当然のことでしょうが、自分のせいで自宅待機を強いられた人には申し訳なかったと胸の内を漏らしていました。

準備されたホテル

感染者用の宿泊施設として地元自治体が準備したホテルは、指定ホテルの中では最も良いところだったらしく、ご本人は、これで1週間いるのならまんざらでもない、と思ったらしいのです。

ところが、熱がさがらない。

それで、ホテルに常駐している担当医師が手配をして、一泊した次の日に国立の大学病院へ入院することに。

すると今度は4人部屋に入れられ、食事も病院食で美味しくないし、何もすることがないからと退屈しのぎに問診にくる看護師を捕まえて雑談をしようにも、皆一様に防護服にマスク、フェイスシールドといった完全防備体制で対応され、誰に話しているのか見分けがつかないような状態となった。

ニュースでは、コロナ患者を受け入れるベットが不足しているとの報道も一部ありました。でも、その地域では、余裕で空きがあったようで、看護師たちも時間になれば帰ることができる状況であることがわかり、いわゆる「医療崩壊」とは程遠い、ゆるやかな日常がそこにあって拍子抜けされたようです。

退院後の措置

1週間してようやく熱も下がったことから退院となり、最終的に再度一通りの検査を行った結果、自覚症状がないにもかかわらず肺に肺炎を起こした跡があることが判明した。

一応退院はできたため、出社しようと会社に連絡を入れたところ、再度PCR検査を受けてくれとのお達しがから検査を受け、陰性と出たので、ようやく安心して通常の活動ができるようになった。

とまあ、こんな経緯でした。

なるほど、話には聞いていましたが、特に所属会社の対応については、会社内でクラスターが発生しないように慎重な対応を実施しているという印象を受けました。

インフルエンザに比べれば、コロナに感染する確率はぐっと低くなる。宝くじで1等が当たるようなレベルともいわれているからこそ、なんで自分なのかと何とも複雑な気持ちだったようです。

同じ症状だった知人の死

ところが、この話には尾ひれがついていました。

そのお客様の長年付き合いのある経営者の一人が、同時期に同じように発熱だけという症状でコロナにかかって入院。その後回復したことで退院したが、その1か月後また熱が出た。今度はコロナではなかったが、その1週間後に肺炎で亡くなってしまったのです。

年齢も3歳上で71歳。

あれよという間に天に召されてしまった知人の死を目の当たりにしたせいか、しみじみと話をされがら、いつもだったら車内で必ずタバコを吸われるのに、この日はそんな素振りは全く見せませんでした。

「天寿」という言葉がありますが、逝く時がくれば、元気なようでも人はその時に合わせて逝ってしまうものなのだ・・・

社会的影響の大きさを実感

高齢者にとって、コロナ感染はリスクがあります。しかし、死亡率からみれば、病気そのものの問題よりも社会的な影響の方が大きいことを実感します。

もし自分がコロナに感染したら・・・自分の職場、妻や子供たち、その背後につながる様々な人間関係・・・どうするか・・

ですから、こういった身近な人の体験談を直接伺うことで、他人事のように見ていたコロナの問題を現実のものとして捉えることができるようになったのは、逆に幸運だったのかもしれません。

2月17日から日本でもいよいよワクチン投与が始まり、今後このコロナ問題は終息に向かうことでしょう。

喉元過ぎれば熱さを忘れる・・にならないよう普段から健康維持、そして免疫力を高めることを意識した生活を心掛けていきたいものです。

東京ハイヤーマンは○位?
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